介護相談室 Q&A ~小規模多機能型居宅介護~

2022/08/24

小規模多機能型居宅介護(看護小規模多機能型居宅介護)とはなんですか?

 小規模多機能型居宅介護とは、1つの事業者と契約するだけで、要介護者の状態や希望に応じて、「通い(デイサービス)」を中心として、随時「訪問(訪問介護)」や「泊まり(ショートステイ)」のサービスを、組み合わせて利用できます。中重度となっても在宅での生活が継続できるように支援するもので、2006年4月の介護保険制度改正により、今後増加が見込まれる認知症高齢者や中重度者ができる限り住み慣れた地域での生活が継続できるように、新たなサービスとして創設されました。
 小規模多機能型居宅介護のサービスが創設される前では、「通い」「訪問」「泊まり」などの介護サービスをそれぞれ別の施設で受けるしか方法がなく、特に認知症高齢者の場合、サービスごとにそれぞれの場面で対応するスタッフが異なり、馴染みの関係やケアの連続性が保たれず、周囲の環境の変化に対応ができなくなったりなどの不安や混乱を招き、症状の悪化や進行などの問題が見られていました。
 小規模多機能型居宅介護を提供する施設は、地域に根ざした小規模の施設であるため、「通い」「訪問」「泊まり」の3つのサービスを、同じスタッフが提供しますので、特に退院直後や認知症の症状が出始めた方など、体調や状態が不安定な方は柔軟にサービスが利用できたり、3つのサービスで同じ事業所のスタッフが対応しますので、顔なじみのスタッフで安心であったり、通常サービスごとの契約が必要となるところ、契約が1回で済むなど利用者本人だけでなく、介護者の負担を減らすことができ、サービスを利用する上での安心感などのメリットがあります。
 一方、月の利用料金は定額制のため利用回数が少ない場合、デイサービスやショートステイなどそれぞれ異なる事業所で契約したときより費用が高くなる可能性があったり、ケアマネジャーも含めたすべてのサービスを同じ事業所で利用することとなるため、現在のケアマネジャーから変更したくない方、利用しているサービス事業所を変更したくない方などは留意が必要です。また、特定のサービスで変更希望や不満があったとしても、そのサービスのみ事業所を変更するということができないため、事前に担当ケアマネジャーや地域包括支援センターにご相談の上、利用を検討したほうがよいでしょう。

 現在三浦で計画されている看護小規模多機能型居宅介護は、前述の小規模多機能型居宅介護同様、利用者の選択に応じて、施設への「通い」を中心として、短期間の「宿泊」や利用者の自宅への「訪問(介護)」が利用できることに加えて、看護師などによる「訪問(看護)」も組み合わせることで、介護と看護の一体的なサービスの提供を受けることが出来るサービスとなります。詳しくはお住いの地域自治体や包括支援センター等へお問合せ下さい。